なぜ「わかっているのにできない」のだろう?行動の裏にある本当の気持ちを探る15分

はじめに

私たちは日々、「こうしたいな」と心では思っているのに、なぜか「結局、違うことをしてしまう」という行動のギャップに悩むことがあります。

頭では分かっているのに、なぜか思い通りに行動できない…

そんな時、あなたは自分自身を責めてしまうかもしれません。

でも、安心してください。

実は、この一見矛盾する行動の裏には、あなたがまだ気づいていない「本当の気持ち」や「満たしたいこと」が隠されていることが多いのです。

それは、あなたの行動を動かしている、大切な心の声かもしれません。

人は、心、体、そして周りの人との関係性、これらすべてがバラバラに動いているのではなく、一つのまとまりとして、常に何らかの目的に向かって進んでいるとアドラー心理学では考えます。

全体論です。

たとえば、歩くとき、左脚は前に動きながらと右脚は後ろの方へ動きながら、前後に違う動きをしながら全体として体が前に進むように、思考・感情・行動はすべてはつながっていて、全体として同じ方向へ進んでいこうとします。

一見「矛盾している」ように見えるあなたの「〜したい」という思いと「結局〜してしまう」という行動も、実は同じ一つの共通の目的や願いに向かっていると考えます。

今回のワークでは、この「すべてはつながっている」という考え方をヒントに、あなたの行動の奥にある「本当の目的」を、優しい問いかけで探っていきます。

たった15分で、あなたの行動の奥にある心のつながりに気づき、もっと自分らしい一歩を踏み出すヒントを見つけましょう。

さあ、ペンとノートを準備して、あなた自身の心と向き合う時間を始めませんか?


ワーク

ステップ1:最近の「わかっているのにできない」を書き出す(3分)

最近、あなたが「こうしたいのに、なぜか違うことをしてしまう」と感じた具体的な出来事を一つ、正直に書き出してみましょう。どんな小さなことでも構いません。

  • 例: 「週末に部屋を片付けたいのに、結局ダラダラと動画を見てしまう」(私かも・・・)
  • 例: 「上司に意見を伝えたいのに、結局黙ってしまう」
  • 例: 「ダイエットしたいのに、ついおやつをたくさん食べてしまう」

ステップ2:それぞれの行動をしている時の「心の声」と「誰に伝えたいか」を探る(5分)

ステップ1で書き出した行動について、それぞれ、あなたの心の中でどんなことを考えていたか、そしてその行動が誰かに向けたものだとすれば、誰に何を伝えたかったかを考えてみましょう。

  • 「〜したい(例:部屋を片付けたい)」と感じた時、あなたの心は何とささやいていましたか?
    その気持ちを、誰にどう伝えたかったですか?
    • 例:「完璧に片付けて、家族に『すごいね』と褒めて欲しかった」「自分自身に『よくやった』と満足感を与えたかった」
  • 「結局〜してしまう(例:ダラダラ動画を見る)」という行動をしている時、あなたの心は何とささやいていましたか?その行動は、誰に、何を伝えようとしていたと思いますか?
    • 例:「疲れている自分を家族に『無理しなくていいよ』と許して欲しかった」「自分自身に『頑張らなくていい』と甘えを許して欲しかった」
    • 例:「完璧じゃない私を見ても、誰も責めないでほしい

ステップ3:行動の裏にある「本当の願い」を見つける(4分)

ステップ2で見えてきた「心の声」や「誰に伝えたいか」から、それぞれの行動の本当の願いを考えてみましょう。

そして、この二つの行動(「〜したい」と「結局〜してしまう」)に、実は共通する、もっと深い願いが隠れていないかを探ります。

  • 「〜したい」という行動の裏にあった、あなたの本当の願いは何だったと思いますか?
    • 例:「認められたい」「自分を好きになりたい「安心したい」
  • 「結局〜してしまう」という行動の裏にあった、あなたの本当の願いは何だったと思いますか?
    • 例:「傷つきたくない」「楽をしたい「注目されたい」「自由でいたい」
  • この二つの行動には、実はどんな共通の願いが隠れているでしょうか?
    • 例:「完璧じゃない自分でも、周りに受け入れられ、かつ無理なく過ごしたい」「失敗するくらいなら、何もしない方が安全で、それでも愛されたい

ステップ4:願いを叶えるための「小さな一歩」を考える(3分)

見つけた「本当の願い」を、もっと自分にとって良い形で叶えるために、明日からできる小さな行動を考えてみましょう。

  • あなたが本当に満たしたいその願いを、これまでの「わかっているのにできない」行動とは違う、もっと穏やかで前向きな方法で叶えるために、明日、具体的にどんな小さな行動ができますか?
    • 例:「完璧を目指さず、まず5分だけ片付けを始める」「家族に『ちょっと疲れてるんだ』と素直に伝える」「おやつを食べる前に、本当に今必要なのは何か、自分に問いかける時間を作る

最後に

このワークを通じて、あなたは自分自身の行動の裏に隠された「本当の願い」に気づくことができたでしょうか?

それは、きっと、あなたの心の大切な声です。

この気づきを、今後のあなたの行動や、周りの人との関係にどのように活かしていきたいですか?

このワークが、あなたがもっと自分らしく、心の声に寄り添った行動を選ぶための、優しいきっかけとなることを願っています。

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