1. きっかけは異分野からの問いかけ
先日、興味深いアドラー心理学の勉強会に参加する機会がありました。この勉強会、実はちょっと変わった経緯で開催されたんです。
発起人は、長年別の心理学を研究され、書籍も出版されているAさんという方。
「アドラー心理学ってどうなんだろう?」と興味を持たれたAさんが、身近な組織でアドラー心理学を実践されているBさんに教えを請うたのがきっかけでした。
せっかくなら一人で学ぶのではなく、オンラインで他の人ともシェアしようというAさんの提案で、今回の勉強会が実現したそうです。
2. 立場の違いが生む視点
Aさんはアドラー心理学に対してやや否定的な立場。
一方、講師役のBさんは、文献や書籍を通してアドラー心理学を学ばれた様子。
ワークショップやカウンセラー養成講座のような実践的な学びの経験はないようでした。
そんな状況で勉強会に参加した私が強く感じたのは、やはり文献や書籍だけでは、アドラー心理学の本質を理解するのは難しいということです。
3. 全体論という視点の重要性
アドラー心理学は、人間の行動や心理を全体として捉える「全体論」を基盤としています。
この全体論的な視点が欠けてしまうと、どうしても表面的な理解に留まってしまい、本質を見誤ってしまうのではないでしょうか。
例えば、勉強会の中でAさんからこんな質問がありました。
「アドラー心理学は『個人』心理学と言われているのに、どうしてグループへの適用が可能なんでしょうか?」
これは、アドラー心理学における「個人」という言葉を、日常生活で私たちが使う意味合いで捉えてしまったために生じた疑問だと感じました。
アドラー心理学で言う「個人」とは、これ以上分割できない、唯一無二の存在という意味合いを持っています。
また、アドラー心理学が社会との繋がり、つまり「社会統合論」を重視しているという視点が欠けていると、このような疑問が生じてしまうのでしょう。
4. パターン化ではない、個性を尊重する心理学
さらに、Aさんからはこんな意見も出ました。
「アドラー心理学は、個人の行動をパターン化しているんじゃないですか?」
これも、アドラー心理学に対する一般的な誤解です。
実際はむしろその逆で、アドラー心理学は、人はそれぞれ全く異なる存在であり、画一的なパターンに当てはめることはできないという前提に立っています。
個々の主体性を尊重し、その人ならではの理解を深めようとするのがアドラー心理学なのです。
5. 理論の正しさよりも、人が幸せになるための「有用性」
勉強会の中では、「理論が正しい根拠は?」という鋭い質問も出ました。
この問いに対して私が感じたのは、アドラー心理学の特異な点です。
他の心理学が理論の科学的な正しさを重視する側面があるのに対し、アドラー心理学は、その理論が人々のより良い生き方、より幸せな人生に役立つかどうか、つまり「有用性」をより重視するという側面があるのではないでしょうか。
もちろん、アドラー心理学も一定の理論的枠組みを持っていますが、その核心は、人が主体的に考え、行動し、他者との協力の中で幸福を見出せるように導くことにあります。
絶対的な正しさの証明よりも、人が前向きに生きるための指針となるかどうかが、アドラー心理学の重要な判断基準の一つと私は学びました。
6. 独学では見えにくい、理論の深さと実践の重要性
他にも、勉強会の中では「課題の分離」や「勇気づけ」の捉え方や、「目的論」における「目的」の解釈など、独学では陥りやすい誤解が見受けられました。
今回の勉強会を通して改めて感じたのは、アドラー心理学は、理論と思想をしっかりと学んでいる経験豊かな方から学ぶことの重要性です。
文献や書籍は知識を得るための重要なツールですが、それだけではどうしても理解が深まらない部分があります。
対話を通して疑問を解消したり、実践的な視点を取り入れたりすることで、初めてアドラー心理学の奥深さに触れることができるのだと痛感しました。
7. 学びを深め、伝えることの意義
今回の経験を活かし、私もより深くアドラー心理学を学んでいきたいと感じています。そして、もしアドラー心理学に興味を持っている方がいたら、ぜひ経験のある方から学ぶことをお勧めしたいです。
私自身も、アドラー心理学の可能性に魅せられ、少人数制の勉強会を定期的に開催しています。
今回の記事で感じたような、独学ではなかなか掴みにくい本質的な理解や、参加者同士の対話を通じた学びを深めることができる場です。
もしあなたが、
- アドラー心理学に興味があるけれど、何から学べば良いか分からない
- 書籍を読んだだけでは、どうもピンとこない
- 他の人と意見交換をしながら、より深くアドラー心理学を学びたい
そう思っているのであれば、ぜひ一度私の勉強会に参加してみませんか?
きっと、新たな発見や学びがあるはずです。詳細は下記リンクからご覧ください。
皆さんと一緒に、アドラー心理学の奥深い世界を探求できることを楽しみにしています。
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