皆さん、こんにちは!今日のテーマは、アドラー心理学でよく言われる「怒りは二次感情である」という考え方について深掘りしていきたいと思います。
日常生活で、私たちは様々な瞬間に怒りを感じることがありますよね。「なんであの人は私の気持ちを分かってくれないんだ!」「また約束を破られた!信じられない!」そんな風に、カッとなる経験は誰にでもあるはずです。
しかし、アドラー心理学では、この怒りの感情は、実はもっと奥にある別の感情を隠すためのものだと考えられています。一体どういうことなのでしょうか?
怒りの奥に隠された一次感情とは?
アドラー心理学では、感情は私たちが目的を達成するための手段であると考えます(目的論)。つまり、怒りという感情も、何らかの目的を達成するために私たちが無意識的に「作り出している」可能性があるのです。
そして、その怒りの奥には、より根源的な感情、いわゆる「一次感情」が隠れていると考えられています。では、具体的にどのような一次感情が怒りを引き起こすのでしょうか?
1. 悲しみ・落胆・失望
期待していたことがうまくいかなかった時、大切なものを失った時、相手に裏切られたと感じた時、自分の無力さを感じた時など、私たちは様々な悲しみや落胆、失望を経験します。
しかし、これらの感情を直接表現することが難しい場合や、相手に伝わらないと感じた場合に、怒りとして表出することがあります。「なんでわかってくれないんだ!」という怒りの裏には、「わかってほしかった」「悲しかった」という気持ちが隠れていることが多いのです。
2. 不安・恐れ・焦り
自分の能力に自信がない時、将来に対する見通しが立たない時、他者からの評価を恐れる時、状況をコントロールできないと感じる時など、私たちは様々な不安や恐れを感じます。
これらの感情から逃避したり、自分を守ろうとしたりする際に、攻撃的な怒りとして現れることがあります。「うるさい!」という怒りの裏には、「どうしたらいいかわからない」「失敗したらどうしよう」といった不安や焦りがあるかもしれません。
3. 不満・欲求不満
自分の欲求が満たされない時、不公平だと感じた時、我慢を強いられていると感じた時など、私たちは不満や欲求不満を覚えます。
これらの感情を直接訴えることが難しい場合に、怒りとして表現されることがあります。「なんで私だけ!」という怒りの裏には、「もっと平等に扱ってほしい」「私の気持ちも尊重してほしい」という不満が隠れていることがあります。
4. 劣等感・無力感
他者と比較して自分が劣っていると感じたり、自分の価値を認められないと感じたりする時に、劣等感を抱くことがあります。また、状況をどうすることもできないと感じたり、自分の意見や行動が影響力を持たないと感じたりする時には、無力感を覚えます。
これらの感情を隠蔽したり、打ち消そうとしたりする際に、攻撃的な怒りとして現れることがあります。
なぜ怒りは二次感情として現れるのか?
一次感情を直接表現することが難しい理由は様々です。
- 感情を表に出すことへの抵抗: 悲しみや弱さを見せることを恥ずかしいと感じたり、恐れたりする。
- 過去の経験: 過去に自分の感情を表現した際に、否定されたり、傷つけられたりした経験がある。
- コミュニケーション能力の不足: どのように自分の気持ちを伝えれば良いかわからない。
- 相手への配慮(歪んだ形): 相手を傷つけたくないという気持ちが、結果的に怒りという攻撃的な形になってしまう。
怒りは、一時的に自分の身を守ったり、相手をコントロールしたりする効果を持つこともあります。しかし、根本的な解決には繋がらず、人間関係を悪化させてしまう可能性も高いです。
怒りの感情と向き合うために
アドラー心理学では、怒りを感じた時に、その奥にある本当の感情や目的は何なのかを理解することが重要だと考えます。
- 怒りを感じた瞬間に立ち止まり、自分の内面に意識を向けてみましょう。
- 「本当は何を感じているんだろう?」「何を求めているんだろう?」と自問自答してみましょう。
- もし悲しみや不安、不満などの一次感情に気づいたら、それを言葉にして表現することを試みましょう。
例えば、「あなたが約束を破ったことに対して、私は悲しかった」「この状況がどうなるか不安で、どうしたらいいかわからなくて焦っている」といったように、素直な気持ちを伝えることで、相手との建設的な対話が生まれる可能性があります。
まとめ
怒りは、私たち自身の内面からのメッセージであり、より深い感情や満たされない欲求を教えてくれるサインです。アドラー心理学の視点を持つことで、怒りの感情に振り回されるのではなく、その奥にある本当の気持ちに気づき、より穏やかで良好な人間関係を築いていくことができるでしょう。
もし、あなたが怒りの感情に悩んでいるのであれば、今日のお話が少しでもお役に立てれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
【読者の皆さんへ】
今回の記事を読んで、何か感じたことや考えたことはありますか?ぜひコメント欄で教えてくださいね。また、日常生活で怒りの感情とどのように向き合っているかなど、皆さんの体験談も共有していただけると嬉しいです。
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